概況

「晋人善賈」、という言葉が古くからあり、最初は戦国時代の魏国の大商人に遡ることができます。明、清の時代がピークとなり、名声が遠くまで鳴り響き、商業界を500年自由に走り、我が国の商業の歴史、金融の歴史上で旺盛な一ページを残しています。山西商人（晋商）は製塩工業からスタートして、綿、布、食糧、油、お茶、漢方薬の材料、毛皮、金融などのそれぞれの業界に発展しました。内陸貿易から始めて、貿易をモンゴル、ロシア、朝鮮、日本などの隣り合う国まで広げて発展させました。晋商の貿易活動は、中国の近代商業文化を大いに豊かにし、中国の商業貿易の経営の新しく高度なものを推し進めました。晋商が確立した「山西票号＝山西の旧式の銀行や両替店」は商業の経営と金融資本に互いに結合させて、金融の領域の安全のために、便利な流通方法を切り開き、伝統ある中国の商業資本の運動を最高峰まで推し進めました。

晋商は、明、清の時代に活発になり、また14世紀中期～20世紀初めの山西商人のグループです。晋商文化は、山西全体を背景にした、商業貿易を中心に形成するための一種の文化形態です。それは晋商が中国市場で立身出世する上で、雄を称される起点として、明、清の2世代で、民国時代にまで延長継続し、商業をきずなの一連の文化現象にしました。その中には、商業貿易文化、家族文化、建築文化、飲食文化、伝統演劇の文化、武術文化、人を育成する文化、収蔵文化、民俗文化などを含んでいます。

山西の商人は明、清2代の500数年の時間の中で、その当時、国内の最大勢力の商幇であり、敵国の財産を保有して富み、「世界で最も裕福」と称賛されていました。その経営の足跡は全国各地に至る所にあり、ひいては、海外ヨーロッパ、中央アジア、朝鮮、日本と東南アジアなどのすべての地に彼らの足跡あります。道理のある人はこう言います。麻雀のあるすべての地域には、山西の商人がいます。晋商の経営項目は、更に豊かさに富んでおり、「上は、絹織物、下は、ネギやニンニクまで」、取り扱わないものは、ありませんでした。清の時代の「汇通天下（天下に通じる）」の旧式の銀行や両替店の体系を形成した後、商業資本と金融資本の結合の後に、一度全国金融界の牛耳を執ったのです。明、清の時代の山西商人の資本の豊富さ、経営項目の数、活動地区の広さ、活動時間の長さ、世界の商業史上で類いまれなものでした。このようなことからも山西商人（晋商）は、世界的に有名なユダヤの商人、ベニスの商人と名声を等しくして、世界の「三大商人」と称されるのです。

私達が、今日よく語る晋商は、主に明の時代の初期の山西商人を想起して言うのです。この時期の明の北部の辺境地帯の町に多くの駐屯軍が軍人・兵士を集めるために「开中制」を推進し、山西商人は地の利を利用し、捷足先登、先手必勝で米穀商、塩商人を集めて、一身に迅速に奮起しました。その中で平陽商人、沢潞商人の実力は最も強いものでした。晋商は明の時代の中期に、次第に頭角を現しました。「开中制」の解体によって、晋商は辺商から内商として変化し、だんだんと全国のその他の市場を開拓しました。その当時の経営の範囲は、過去の食糧、塩から、絹織物、顔料、綿などの多業種に変わりました。清の時代に入った後、200年余りに渡る晋商の鍛錬は、経営経験に関わらず、商業資本の蓄積が既に成熟していました。清時代の初めから清の末期までの数百年間で、晋商は次第に国内市場の雄と呼ばれました。旧式の銀行や両替店の確立は、特に晋商に国際商業界での名声を与えました。この時期の、晋中の商帮は頭角を表し、後から来たものが先の者を追い越す勢いがあり、晋商は、各商帮のトップに踊り出ました。清の末期、戦乱があり、兵が破れて、一連の不平等条約を締結し、列強が中国への経済侵略を絶えず激化させて中国の経済と商業の発展は深刻な破壊に遭いました。その後晋商は衰退し、再起することはありませんでした。

明、清の時代の山西商人の成功は、一定の歴史的条件の下で意識的にしたことと無意識に形成しなかったことが両方あり、一種独特の精神の発揚があります。このような精神は積極的な開拓、自ら努め励んでやまない向上しようと努力する精神、実務を遂行し、労苦を惜しまない職業精神、楽善好を施し、縁で結ばれるグループ精神、これが誠信義利の「晋商精神」であります。その中の、誠信は「晋商精神」の魂であります。祁県喬の家、用水路家、楡次の常家、太谷の曹家、介休の範家と侯家、臨汾の亢家、霊石の王家はすべてその当時の晋商の誠信の経営の手本と言えます。2004年8月、李長春同志が山西を視察した時、晋商精神を「節倹勤奮、明礼誠信、精于管理、勇于開拓」（意味：節約・倹約・勤勉・奮闘、礼節と誠と信頼、管理に精通し、勇敢に開拓する。）の16文字で概括しました。この16文字には晋商精神の精髄があり、晋商が私達に最も貴重な財産を残しておいたのです。

今のところ、晋商文化の１つの重要な媒介となるのは全省の多くの場所に分布する晋商大院です。これらの大院は民居建築文化の極致を発揮するだけではなくて、山西の民家、ひいては北方の民家の精華を体現しており、同時に、晋商の5百年の盛衰の歴史の目撃者で、大院の一つの煉瓦、一枚の瓦の細部ごとに、その中に晋商文化を織りなすのです。

　　
【観光地】

世界文化遺産―平遥古城：平遥古城は西周の宣王の時期（紀元前827年～紀元前782年）に建立され、現在までに2700年余りの歴史があります。平遥古城は1997年12月に国連教育科学文化機関に「世界文化遺産」に登録されました。

日升昌票号：日升昌票号は中国の歴史上の一社個人銀行であり「天下第一」「汇通天下（天下に通じる）」という名声が聞かれ、その支行は全国至る所の各大都市に及び、現代の各種の銀行の始祖です。

常家荘園：楡次南西の東陽鎮車輞村に位置します。清の時代の晋商の富豪、常氏の自家荘園です。荘園は儒家文化と道家文化に融合して炉をなし、北方の庭園の重厚さと南方の庭園の優秀さが一体となり、鬼斧神工（神工鬼斧の神業）、造化天成、空霊飄逸、文雅脱俗（上品で俗っぽくない）です。まるで荘園の主人が言うように、居住し、読み、修め、思い、賞賛し、遊び、喜び、詠むことができる「八可荘園」の荘園のようです。

喬家大院：喬家大院は祁県喬家堡村に位置して、別名の「在中堂」とも言い、清代の全国的に有名な商業金融資本家の喬致庸の邸宅です。高い空から喬家大院を高い所から見下ろしてみると、大吉大利の縁起が良いことのシンボルの「囍」の字のようです。庭内には斗拱が軒を飛び、石刻や煉瓦の彫り物、彩色上絵の金が十分に我が国の清代の民家の建物の独特な風格を体現しており、観賞、科学研究と歴史の価値があります。多くの専門家の学者が「清代の北方の民家の建物の1粒の真珠」と褒め称えられています。そのため「皇家に故宮があり、民家は喬家を見よ」と言われるのです。

王家大院：王家大院は霊石県城東から 12キロメートルの静升鎮に位置し、山西最大の保存の完全な建築群で、「中国民家で一番の家」と「山西の紫禁城」と称えられています。